八ヶ岳では春と夏がほとんど一緒にやって来る。
エゾハルゼミ(蝦夷春蝉)Terpnosia nigricosta は、カメムシ目(半翅目)・セミ科に分類されるセミの一種。特徴的な鳴き声を持つ小型のセミで、ブナ林などの落葉広葉樹林に生息する。北海道・本州・四国・九州、日本以外では中国にも分布する。和名に「エゾ」(蝦夷)とあるが、北海道以外にも分布している。日本産のセミとしては北方系で、西日本の分布は標高の高い山地に限られる。北海道では多くの地域で最もメジャーなセミで、最盛期には森林や低山帯で無数の鳴き声が聞かれる。またこのセミは本州以南でいうところのヒグラシのようなセミで、純粋な森林性であるため、市街地で鳴き声が聞かれることは少ない。広葉樹林の伐採やそれに代わるスギ、ヒノキの植林などで生息域が減少している。特に西日本では少ない生息地がさらに狭まっており、各都府県で独自に作成したレッドデータブックでは絶滅危惧種として記載している所が多い。